【必須ミネラル図鑑】
No.3 カリウム (K)
〜 生命の電気を灯し、過剰な塩を追い出す「細胞の門番」 〜

<カリウムの特徴>
カリウムは、細胞の内側にそのほとんどが存在する、細胞内液の主成分です。細胞の外側にいるナトリウムとペアになり、常にバランスを取り合っています。

カリウムには、摂りすぎた塩分を腎臓から排出する働きがあります。現代人は塩分過多になりがちですが、カリウムはその「毒抜き」をしてくれる頼もしい味方です。
すべての細胞膜には、カリウムを中に取り込み、ナトリウムを外へ汲み出す「ポンプ」のような仕組みがあります。
この活動によって細胞内外に微弱な電気が発生し、それが信号となって、心臓を動かし筋肉を収縮させ、脳からの命令を伝達しています。カリウムが不足すると足が攣ったり、心拍が乱れたりするのは、この「電気回路」がショートしてしまうためです。

エピソード(1)
名前の由来
英語名の「Potassium」は、古くから肥料として使われていた「Pot ash(壺の灰)」に由来します。
植物を燃やした後に残る灰を水に溶かし、壺で煮詰めてカリウム分を取り出していたという、古来の知恵が名前に刻まれているのです。
エピソード(2)
バナナの秘密
テニス選手が試合の合間にバナナを食べる光景をよく目にします。激しい運動で汗をかくと、水分とともにカリウムも失われ、筋肉のコントロールが効かなくなりますが、カリウムが豊富に含まれているバナナを摂取することで、即効性の高いエネルギー源(糖質)を補給しながら、筋肉の痙攣も防ぐことができるのです。

エピソード(3)
ごくわずかな放射性物質
カリウムには、ごくわずかに「放射性物質」が含まれています。これは地球上に存在する天然の放射性物質で、カリウムを含む食材を食べれば、私たちの体の中にも取り込まれます。しかしごくわずかのため、健康に影響はありません。
エピソード(4)
進化のミスマッチ
人類の祖先がアフリカの草原で暮らしていた頃、食事は植物が中心で「カリウムは豊富だが塩は超貴重品」という環境でした。そのため、体は塩を溜め込み、カリウムを捨てるように進化しました。しかし、現代は逆で、塩が溢れカリウムが不足しています。私たちの体は「太古のままの塩分節約モード」で動いているため、カリウムを意識的に摂らないと、すぐに血圧が上がってしまうという進化のミスマッチが起きているのです。

以上、必須ミネラルのひとつ、カリウムについてでした。
次回の更新もお楽しみに!

