【必須ミネラル図鑑】No.4 硫黄(S)

【必須ミネラル図鑑】
No.4 硫黄 (S)
〜 強さと美しさを繋ぎ止める、タンパク質の「橋渡し役」 〜

必須ミネラル図鑑硫黄

<硫黄の特徴>

硫黄は地味な存在に見えて、実は私たちの「見た目」と「代謝」を劇的に左右するミネラルです。
髪の毛や爪、皮膚の主成分である「ケラチン」というタンパク質。このタンパク質分子同士を強力な接着剤のように繋いでいるのが「S-S結合」という硫黄の橋です。髪に弾力があり、爪が硬いのは、硫黄が分子レベルで組織を繋ぎ止めてくれているおかげです。

硫黄の特徴その1

糖質のエネルギー代謝に欠かせないビタミンB1や、美肌ビタミンとも呼ばれるビオチンの構成成分となります。また、肝臓の解毒作用を助ける「グルタチオン」という強力な抗酸化物質の材料にもなり、体内の浄化にも深く関わっています。

血糖値を下げる唯一のホルモンである「インスリン」も、その複雑な立体構造を維持するために硫黄の結合を必要としています。

硫黄の特徴その2

エピソード(1)
火の石と聖書の記憶
硫黄は英語で「Sulfur」ですが、古語では「Brimstone(燃える石)」と呼ばれます。火山地帯で黄色い結晶として見つかり、燃やすと青い炎を上げて刺激臭を放つため、古来、人々は硫黄を「超自然的な力」の象徴と見なしました。
聖書では、罪深い都市ソドムとゴモラに「火と硫黄が降った」と記されており、かつては地獄の業火をイメージさせる恐ろしい存在として語られてきました。

硫黄のエピソードその1

エピソード(2)
温泉の匂いの正体は硫黄?
温泉街に行くと漂ってくる「腐った卵のような独特の匂い」。一般的に「硫黄の匂い」と言われますが、実は純粋な硫黄自体は無臭です。あの匂いの正体は、硫黄と水素が結びついた「硫化水素」というガスです。

エピソード(3)
「パーマ」は硫黄を操作する技術
私たちが髪にパーマをかけられるのは、硫黄のおかげです。パーマ液の1剤で髪の中にある硫黄の橋を一度バラバラに切り離し、カーラーで形を作った後、2剤で再び橋を繋ぎ合わせることで、あのカールを固定しています。美容の技術は、実は「硫黄の結合をいかに操るか」という化学の応用なのです。

硫黄のエピソードその2.3

エピソード(4)
歴史を変えた「黒色火薬」の主役
中世から近世にかけての戦争の歴史を塗り替えたのは硫黄でした。木炭、硝石、そして硫黄を混ぜ合わせることで作られた「黒色火薬」が盛んに用いられました。硫黄は燃焼を促進させ、爆発力を高める役割を担っていました。かつては最強の兵器を支える立役者でもあったのです。

以上、必須ミネラルのひとつ、硫黄についてでした。
次回の更新もお楽しみに!

硫黄のエピソードその4と必須ミネラル図鑑硫黄のまとめ
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